「フィンスイミングって、オリンピック以外に世界一を決める大きい大会はあるんですか?」
体験に来てくれた方から、この質問をよく受けます。
あります。ワールドゲームズです。オリンピックで実施されていない競技が集まる国際総合競技大会で、規模も権威も本物、第2のオリンピックと言われる大会なんです。
でも、そこなんですよ。ワールドゲームズのフィンスイミングに出られるのは、男子50名・女子50名の合計100名だけ。世界でいちばん狭い舞台です。どんな大会で、どうすればそこに立てるのか、解説します!
まず、第1回からフィンスイミングは入っています
第1回のワールドゲームズは1981年、アメリカのサンタクララです。フィンスイミングの競技は7月25日から27日、サンタクララ国際水泳センターで行われています。メダルはイタリアが36個のうち16個を持っていき、フランスが11個。西ドイツのユルゲン・コレンダ選手は、1人で4つの金メダルを獲っています。
フィンスイミングの世界選手権が始まったのは1976年、ドイツのハノーバーです。その5年後には、もうワールドゲームズの第1回に名前が並んでいた計算になります。統括団体のCMAS(世界水中連盟)は、ワールドゲームズを運営するIWGAの創設メンバーで、1982年から加盟団体です。
CMASそのものの設立は1959年1月、モナコ。初代会長は、フランスの海洋探検家ジャック=イヴ・クストーです。組織ができてから22年後に、ワールドゲームズの第1回が始まっているんですね。
ちなみにIWGAは、フィンスイミングを「すべての泳ぐ競技の中でいちばん速く、それだけに見ごたえがある競技」と紹介しています。私たちが普段から使っている「水上のF1」という言い方と、だいたい同じことを言っているんです!
出られるのは男女50名ずつ、合計100名だけ
ワールドゲームズは競技ごとに参加できる人数が決まっていて、フィンスイミングは男子50名・女子50名の合計100名です。
なぜ、そこまで絞るのでしょうか?
それは、実施される種目が限定されていることと、参加できる選手数の上限が決まっているからです。個人種目は男女6種目ずつで、しかも予選がありません。全部が決勝競技なので、1種目に泳げるのは8名だけ。オリンピックよりも出場のハードルが高い大会と言われることもあるくらいです。
枠の埋まり方も独特で、先に決まるのはリレーのほうです。2025年大会では開催国の中国に4名の枠が確定していて、残りを7カ国28名が世界選手権のリレーで争っています。個人の枠は、そのあとに残った分で決まっていくんです。
ワールドゲームズ全体では、2029年大会に100を超える国から4000人ほどの選手が集まる見込みです。そのうちフィンスイミングは100人。世界のトップ選手でないと選考されるのは難しい、と説明されるのも当然ですね。
2025年の成都で、世界記録が2つ出ています
直近の大会は2025年、中国・成都です。フィンスイミングは8月10日と11日の2日間、成都体育学院三岔湖キャンパスの水泳場で行われ、種目は男女8つずつの16種目。内訳は個人6種目とリレー2種目です。
この2日間で、リレーの世界記録が2つ生まれています。男子4×50mサーフィスリレーで、ドイツが59.35。史上初めて1分を切りました!同じドイツは、男子50mサーフィスの世界記録14.83秒(2025年、マックス・ポシャート選手)も持っている強豪国です。
それまでの記録は、同じ2025年にドイツ自身が出した1:00.50。1秒以上を削って壁を越えています。女子の4×50mサーフィスリレーでは開催国の中国が1:07.99。2022年にベオグラードで出た1:08.12を塗り替えています。どちらも2026年9月現在時点の世界記録です!
59.35というのは、時速に直すと12.1km、女子の1:07.99でも10.5km。自転車で軽く流すくらいの速さが、水面の上で出ているんです! サーフィスやアプニアといった種目の中身は、フィンスイミングとは?速さ・種目・始め方にまとめてあります。
でも、日本にとってはまだ遠い舞台です
正直に言うと、ここはしんどい話です。枠が世界で100しかない以上、国内で1位を獲っても、それがそのまま切符になるわけではありません。見る物差しが、日本の順位ではなく世界の順位になるからです。
でも、だからこそ道筋ははっきりしています。世界選手権とワールドカップで泳いで、世界の順位表に名前を残していくこと。ワールドカップは年に6大会ほど世界を転々として開かれ、各ラウンドで付くポイントの年間合計でその年のチャンピオンが決まります。1発勝負ではなく、出続けることが効いてくる仕組みなんです。
AQUA FinDからは2026年6月、韓国・仁川で開かれた世界選手権に梶沼照史が日本代表として出場しています。サーフィスは50mから1500mまで距離が揃っていますが、ワールドゲームズで実施される種目は限定されている。どの舞台を狙うかで、練習の組み立ても変わってくるんですね。
初中級者から日本代表までが所属するチームなので、目標の置き場所は人それぞれです。それでも、世界の頂点がどこにあって、そこに立つのに何が要るのかを知っておくと、今日の1本の意味が変わります。
次のワールドゲームズは、ドイツのカールスルーエ
次は2029年7月19日から29日、ドイツのカールスルーエです。第13回にあたり、36競技62種目が行われます。水中スポーツの枠には、フィンスイミング、フリーダイビング、障がいのある選手のフリーダイビングが入っています。
ちなみにカールスルーエは1989年にもワールドゲームズを開いた街で、同じ街が2回開催するのは史上初です。2026年9月のいまから数えると、2029年7月まで2年10ヶ月。いま10代でモノフィンを履いている選手にとっては、十分に間に合う未来です!
ワールドゲームズに立てるのは世界で100人だけですが、入口はもっと広いです。私たちは、その100人の中に日本の名前が並ぶところを見たいと思っています。フィンを履いたことがなくても大丈夫、挑戦したい!と気になったらLINEかお問い合わせフォームから気軽に聞いてください!



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