オープンウォーターフィンスイミングは、海や湖などの自然水域で、フィンを使って速さを競う競技です。サーフィス(SF)とビーフィン(BF)があり、CMAS(世界水中連盟)の世界選手権も開かれています。
プールのフィンスイミングとの大きな違いは、コースや波、潮流の影響を受けながら泳ぐこと。そして、大会の順位とタイムは残りますが、プールのようなCMAS公認の世界記録はありません。種目も距離も、プールとは別物なんです!
海で泳ぐ種目は?サーフィスとビーフィンの2つ
サーフィスは、モノフィンとシュノーケルを使って水面を進む種目。ビーフィンは、左右の足に1枚ずつフィンを履く種目です。プールではクロールですが、CMASのオープンウォーター規則では泳法は自由とされています。フィンを使わない水泳のオープンウォータースイミング(OWS)とは、使う道具と競技規則が異なります。
2026年のCMASオープンウォーター世界選手権(シニア・ジュニア)では、次の個人種目が予定されています。
サーフィス(SF):1km・5km
ビーフィン(BF):1km・3km
エリミネーション:150mサーフィス・150mビーフィン
このほかに、4×1kmの混合リレーと4×150mの混合エリミネーションリレーもあります。海のフィンスイミングというと長距離のイメージが強いですが、短い距離で勝ち残りを争うレースもあるんです。種目と距離は大会ごとに確認が必要で、国内大会がすべてこのプログラムで行われるわけではありません。
プールにあるアプニアやイマージョンは、この世界選手権の実施種目には含まれていません。水中を進む種目との違いを知りたい方は、フィンスイミングの種目と泳ぎ方もご覧ください。
出典:2026年世界選手権の大会要項(主催者発行・掲載先Finswimmer Magazine、5〜6ページ)
オープンウォーターに世界記録がないのはなぜ?
CMAS公認の世界記録と、その大会で計測されるタイムは別です。CMASの世界記録の規定はプール種目を対象とし、50mプールや自動電子計時などを公認の条件にしています。オープンウォーターの世界記録は、その対象に含まれていません。
プールなら距離やコースの条件をそろえられますが、海や湖では波、流れ、ブイの配置などが泳ぎに影響します。同じ5kmでも、追い潮の中を進むレースと、向かい潮に逆らうレースでは条件が違います。異なる大会のタイムだけで「史上最速」を比べにくいことが、プールの記録を見るときとの違いです。
ただし、世界記録がないからといって、泳いだタイムまで残らないわけではありません。2025年世界選手権・5kmサーフィスの公式結果にも、順位と各選手のタイムが掲載されています。結果表を読むときは「そのレースの所要時間」と「条件をそろえて公認する世界記録」を分けて考えると、分かりやすくなります。
じゃあ、海では順位がすべて?世界選手権の見どころ
勝敗を決めるのは、そのレースでの着順です。タイムも記録されますが、観戦では選手同士の位置関係や、いつ前に出るかという駆け引きにも注目してみてください。
プールにはコースロープや底のラインがあります。海ではブイを目印に進むため、速く泳ぐ力に加えて、進む方向を確かめる力も必要です。コースを外れて遠回りすれば、そのぶん長く泳ぐことになります。どの位置で集団についていくか、どこでスパートするか。持久力だけでは説明しきれない面白さがあります!
2026年のCMAS世界選手権は、10月30日〜11月4日にエジプトのシャルムエルシェイクで開催予定です。大会要項では、競技日は11月1〜3日の3日間となっています。
11月1日:1kmサーフィス・ビーフィン、150mエリミネーション予選
11月2日:5kmサーフィス・3kmビーフィン、4×150m混合エリミネーションリレー
11月3日:150mエリミネーション決勝、4×1km混合リレー
長距離ではペース配分、エリミネーションでは勝ち残りをかけた短い勝負、混合リレーではチームでつなぐレースが楽しめます。1kmで勝った選手と5kmで勝った選手は、それぞれの種目の世界チャンピオン。得意な距離や形式から追いかけるのもよさそうですね。
海には、潜ってはいけないルールがある
CMASのオープンウォーター規則では、水中を泳ぐことは禁止されています。プールのサーフィスではスタート後・ターン後の15mまで潜水できますが、そのルールを海のレースにそのまま当てはめることはできません。
水中を泳ぐ違反には、最初にイエローカードで警告、繰り返すとレッドカードで失格・退水となる規定があります。ほかの選手を故意に妨害する行為も警告や失格の対象で、暴力的な行為などは直接レッドカードとなります。集団で泳ぐレースだからこそ、位置取りの駆け引きと妨害は区別されます。
水温にも規定があり、14℃未満ではネオプレンスーツの着用が義務づけられています。ただし、スーツを着ればどの条件でも開催できるという意味ではありません。出場するときは、適用される競技規則に加えて、その大会の開催条件や主催者の判断を確認してください。
規則の出典:CMASフィンスイミング競技規則(2025/01版・転載PDF、2.3・7.4・10章)。最新版の案内はCMAS公式の規則掲載ページで確認できます。
日本ではどこで見られる?湘南OWSにもフィンの種目
日本では、湘南オープンウォータースイミングにモノフィン・ビーフィンの種目があります。2026年大会(第23回)は9月12日(土)・13日(日)に片瀬海岸東浜で開かれ、フィンスイミング2.5kmは13日に行われました。
世界選手権だけの遠い話ではありません。AQUA FinDも2024年にメンバーで湘南OWSへ参加し、秋本咲陽が2.5kmビーフィン女子で優勝(34分07秒2)しました。
また、所属選手の髙橋将斗は、水泳のOWSを主戦場のひとつにする珍しい存在です。出場回数はプールの水泳大会のほうが多く、フィンスイミングではミドルが中心ですが、夏になれば海の男。JIOWSAスイマーオブザイヤー2023・男子18歳以下にも選ばれています。こちらはフィンを使わない水泳のOWSでの実績です。フィンを履く湘南OWSでも、2.5kmビーフィン男子で2025年・2026年と2連覇しています(2025年は距離を1kmに短縮して実施)。
同じ海でも、フィンを使うレースと使わないレースがある。私たちも、プールで積んだものが海でどう変わるのかを毎年おもしろがっています。海の一本を泳いでみたくなったら、まずはプールでモノフィンを履くところからです。気軽にLINEで聞いてください!種目別の日程や海象・気象による変更は、湘南OWS公式開催概要と参加者向けの案内で確認できます。





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