フィンスイミングに興味を持ってくれた人から、よく聞かれるのがこれです。『これって、何歳から始められるんですか?』 もう少し踏み込んで、『うちの子、まだ小さいんですけど大丈夫ですか?』とか、『今から大人が始めても、さすがに遅いですよね?』と聞かれることもあります。
気持ちはよく分かります。新しいことを始めるとき、いちばん最初にブレーキをかけるのが年齢ですよね。でも、結論から先に言わせてください。フィンスイミングにおいて、年齢はほとんどの場合、始めない理由になりません!小さな子から80代まで、それぞれが自分の土俵で泳げるように、この競技はできています。
なぜ「年齢は理由にならない」と言い切れるのか
理由はシンプルで、フィンスイミングには年齢別のカテゴリがきっちり用意されているからです。世界の競技を統括するCMAS(世界水中連盟)の公式規則には、選手を年齢で分ける区分が定められています(CMAS Finswimming Rules V2023/01, 2.1)。
ざっくり並べると、こうなります。11歳以下は育成のためのカテゴリ(Pre-competition/カテゴリE)、12〜13歳がカテゴリD、14〜15歳がカテゴリC、16〜17歳がジュニアB、そして18歳以上がシニアA。年齢の基準は、その年の12月末時点で何歳になっているか、で決まります。日本国内を統括するJUSF(日本水中スポーツ連盟)も、ほぼ同じ構成をとっています。
つまり、年上の選手といきなり同じ土俵で競わされるわけではない、ということです。同じくらいの年齢の相手と、同じ条件で泳ぐ。だから子どもでも、大人でも、それぞれのカテゴリの中で「自分の勝負」ができる。ここがこの競技のフェアで、やさしいところだと私たちは思っています。
子どもは何歳から?公式戦のラインを正確に
お子さんのことで調べている保護者の方に、いちばん正確なところをお伝えします。公式の国際大会に出るには最低年齢が決められていて、ワールドカップは12歳から、ジュニア選手権は14歳から、というラインが設けられています。
ここで大事なのは、その下に11歳以下の育成カテゴリ(Pre-competition)がちゃんと存在する、ということです。いきなりトップの大会に出るわけではなく、まずは育成の枠でフィンに慣れ、泳ぎを覚えていく段階が用意されている。競技の入り口が、年齢のいちばん低いところからなだらかに続いているんです。
『じゃあ何歳から水に入れていいの?』という就学前の話になると、これは大会規則が定める世界ではなく、個々の教室やチームの方針の領域になります。ここで私たちが海外の一次資料にない年齢を断言するのはフェアではないので、そこは書きません。ただ、競技としての階段は小学生の年代からしっかり伸びている、ということは自信を持って言えます。
大人から、シニアから。「マスターズ」という舞台
そしてここが、大人になってから興味を持った人にいちばん知ってほしいところです。フィンスイミングにはマスターズというカテゴリがあります。30歳以上を対象に、M30、M35、M40……と5歳刻みで区分が続いていきます(CMAS規則)。
しかも、上限がありません。CMASの公式サイトには、80歳を超える選手がハイレベルな大会に出場するのは珍しいことではない、とはっきり書かれています。5歳刻みで区分が続くということは、40代なら40代の、60代なら60代の相手と競える、ということ。年齢を重ねても、ずっと「今の自分の勝負」ができる設計になっているんです。
『大人から始めても年齢別で戦える』というのは、気休めではなく制度としてそうなっている。これはフィンスイミングが、一時期だけの競技ではなく、生涯を通じて続けられるスポーツとして作られている証拠だと私たちは受け止めています。子育てが一段落した人の再スタートも、昔泳いでいた人の出戻りも、ちゃんと居場所がある競技です!
「そんなに泳げないんですけど」という不安について
もうひとつ、年齢と並んでよく聞くのが泳力の不安です。『バリバリの競泳経験者じゃないと無理ですよね?』と。
ここは正確に言いますね。フィンスイミングについて、断定はしませんが、少なくとも高い泳力を前提とした競技ではない、とは言えます。理由は道具にあります。フィンが大きな推進力を生み、シュノーケルが呼吸を助けてくれる。手をかいて息継ぎをして……という競泳の動きとは、そもそも体の使い方が違うんです。だから、実は、むしろ競泳よりも泳力が低くても始めやすいスポーツなんです!
フィンスイミングと競泳がどう違うのかは競泳との違いを整理した記事で、推進を生むフィンそのものについてはモノフィンのガイドで掘り下げています。道具が体を助けてくれる、という感覚は、実際に足を入れてみると一番よく分かる部分かもしれません。
AQUA FinDの現場から見える「年齢の幅」
私たちAQUA FinDにも、ジュニア世代から学生、社会人、そしてマスターズのカテゴリで泳ぐメンバーまでが在籍しています。年代の違うメンバーが、それぞれのカテゴリで競技を続けています。速さの伸び方も、練習で大事にするところも、年代によってけっこう違う。それぞれが自分のカテゴリで目標を持てるからこそ、続いていくんだと感じます。
実際、マスターズのカテゴリで大会に出続けているメンバーもいます。競技を続ける形は、10代で頂点を目指すものだけではない、ということです。
だから、もしあなたが年齢を理由に一歩を止めているなら、それはこの競技に関しては、たぶん止める必要のないブレーキです。上は80代、下は小学生。年齢別のカテゴリがあって、道具が体を助けてくれて、それぞれの土俵で勝負ができる。フィンスイミングは、そういうふうにできています。フィンスイミングの詳しいことはこちらのページにまとめているので、次に気になったところから覗いてみてください!





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